薬物による治療法は、現在のところはないものとお考えください。 ピック病に対する対処が最後になってしまいました。 ある医師による表現では ○お姫様扱い ○お殿様扱い が有効とのことでした。 つまり表面上は決して逆らうことなく従順に従う(ふりをして)、言い返したり否定することは厳禁です。とにもかくにも、持ち上げて自尊心をくすぐることです。認知症一般にそうでしょうが、ピック病の場合には、いっそう大きな問題になるようです。 しかし、いずれは入院治療へ向かうしかないのが現実ですから、その方向での用意はされていたほうが良好な病院を見付けることも可能でしょう。 残念ながら病気の進行をとめる治療は いまのところありません。 精神科に いっても特に治療はないと思います。 介護が中心となります。進行すれば 介護保険のサ−ビスを受け家族が 疲れ果てないようにする必要があります。 問題行動がはなはだしいときは 精神科に入院せざるを得ないことも ありますが、入院しても特別な 治療はできません。 個性尊重の介護に効果    岡山のグループホーム!  原因疾患見極めケアプラン作成!  認知症のケアの方法として、「パーソン・センタード・ケア」が注目を集めている。「その人を中心にした介護」「その人らしさを尊重する介護という意味だ。  岡山県笠岡市にある「きのこエスポアール病院」は84年、佐々木健院長が全国に先駆けて作った認知症の専門病院だ。  01年には、認知症の中でも初老期に多く「自己中心的な行動でケアが難しい」といわれるピック病専門のグループホーム「ラーゴム」を開いた。「アルツハイマー病でも、ピック病でも、共通するのは『パーソン・センタード・ケア』だ」と佐々木さん。  同病院の藤沢嘉勝副院長によると、ピック病とアルツハイマー病では、同じ徘徊でも、その人にとっての意味や特徴が違うという。「パーソン・センタード・ケアをするためには、認知症の原因疾患による違いに応じたケアが必要」と話す。  アルツハイマー病の人は、知人などを探して徘徊するうちに迷ってしまう。だから、くつろぐ空間で料理や農作業など、その人が得意な分野の作業をスタッフも一緒にするとよいという。  一方ピック病の場合、初期には道に迷わないので外出癖があっても防げてはいけない。防げると不満が募り暴力などに出てしまう。定時に外出したがるなど、「時刻表的生活」とも言われるその人のリズムの生活を送らせることだという。  あるピック病の女性(50代)は、外出癖、介護への抵抗などの周辺行動(問題行動)があり、安定剤を投与された。  ラーゴムに慣れた後、女性の自由にさせると、深夜2時に台所で料理を始めた。給食づくりの仕事をしていた女性は、料理や買い物が好きだった。でも、薬のために昼間はウトウトし、夜は眠らせるために薬を飲まされ、昼も夜もやりたいことができずイライラしていた。スタッフが深夜の料理を見守るうちに女性は落ち着き、薬も要らなくなった。  アルツハイマー型の認知症の男性(70代後半)は、01年ごろからもの忘れが出て、同じことを何度も言う。家にじっとせず、外出して歩き回る。  元観光バスの運転手で、家や職場など1カ所にじっとしている生活ではなかった。1カ所のデイサービスでは飽きるので、4カ所のどこかに毎日通うようにすると、落ち着きを取り戻した。  藤沢さんは、「認知症の原因疾患を診断しても特別な治療をするのではなく、『その人らしさ』を再現する生活療法と環境づくりをすることが大切だ」と話す。 (平成17年10月23日 朝日新聞・認知症タウンミーティング)   私の感想  ピック病の介護に関してはなかなか良い記事・文献を目にすることはありませんでしたが、そのヒントのようなものがこの日の朝日新聞記事には書いてありました。  深夜の2時に活動するのを見守るという介護はなかなか出来ることではないですよね。   ご意見はこちらまで ホームへ戻る